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創造的組織の資質(10)創造神-9 農耕的創造神 日本の八百万神
われわれは、日本的な農耕的創造神のはたらき、日本の八百万神の創造力を見落とすことはできない。

しかし、日本的な集団主義的な創造、というのは(あまりにも)よく言われていることだが、それをただ「グループワーク」や「コラボレーション」といった概念と同じ平面で語ることはできない。

グループワークやコラボレーションは、個の創造性をベースにした協調である。そこには「クリエイティブ」な喜び、発見、楽しさなどが暗示される。しかし、日本的なそれは必ずしもそれらと同じではない。したがって単純な日本的集団創造礼賛は危険な匂いもある。たとえば、現場べったりの現場主義と混同されてはならないと思う。

お神楽等の日本の地方の伝統的祭りでは、村や地域で集団で祭りを行って神を呼び、もてなし、もちろん自分たちも酒を分かち合って楽しむのだが、その準備過程は個の創造性の発揮の機会ではない。個は黙々と作業に徹する。

こうした日本的な場の姿は、従来企業の現場でも見られたものだ。トヨタ生産システムの背後にはこうした文化的蓄積がある。トヨタは元来機織業で、すでに江戸期に成熟していた生産システムを組み立て加工に転じたものだ。「トヨタウェイ」にあるように、そこでは現場の暗黙知が基点となる。

日本的、農耕的集団創造とは、現場の暗黙知から生まれる反形式知的な力を、さらに、一件矛盾するようだが、「型」(ウェイ)として形式知化していく、そして文化的に活用するシステムである。

こうした隠れた文化システムの二重性はこれまでも指摘されてきた。根源には現場での経験知を重視し、共同体的に共有する、神道的世界がある。そしてそれをシステム化するのが外来の思想である。たとえば仏教から、西洋文化までそれは連なっている。これを単に静態的に二重性として指摘したのではなく、動態的なモデルとして(暗黙知と形式知の変換としての)説明できたのが知識創造モデル(『知識創造企業』)であった。

これには「場」が大きな働きを持つ。それはシステム的にみれば多元的創造である。八百万の神々がいる。それが年に一度収穫期の10月に集合して総括する。集まるのは出雲大社であり、全国の神が集まって出雲以外には神がいなくなるので10月を「神無月」という。出雲では神在祭を行う。

出雲の「場」の機能とは知の共有、縁の形成である。出雲大社の主神は大黒(大国主神)で、男女、仕事、知識の縁結びの神である。神在祭は神々にとっては祭りでなく「会議」である。大国主神のいる社という「本社」に全国から出張してくるのである。

セブンイレブンの店舗巡回を行うオペレーションズ・フィールド・カウンセラー(OFC)は本社に週に一度全国から集まるが、なんだかそれを思わせる。

こうした集合の場はやはり単純なコラボレーションではない。むしろ、そうした限界を認識したうえで、知識創造モデルを駆動していかねばならない。


出雲大社。神無月にはここに全国から神が集まる。(Photo by Noboru Konno)
| - | 00:48 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
本編共感します。
出雲大社の「Ba」、祭りでなく会議というのは、創造を掻き立て
神々の会議ではどういうケーススタディを議論するのだろう。
セブンイレブンOFC会議を思い出させるというのも同感。
今は隔週開催、OFCの解決策へのアイデアプレゼンにより知的創造を促す様は、確かに出雲にて行われる神々のプレゼンに匹敵します。
| Hiroki | 2009/06/11 3:40 PM |
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